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リスクオン・リスクオフ通貨の特徴
基軸通貨とは
アメリカの通貨であるアメリカドルは、基軸通貨とされています。
円から海外の通貨と両替する場合、円と海外の通貨を直接交換するのではありません。
一度、円をアメリカドルに交換した後にアメリカドルを海外の通貨と交換をします。
このように軸となる通貨を基軸通貨と言います。
クロス円とは
FXにおける取引ではユーロ円やドル円など、〇〇円というようなものを目にする機会が多いかと思います。
クロス円とはその通貨ペアの内、米ドル以外の通貨と日本円のペアでの取引のことを言います。
つまり、ユーロ円のこともクロス円ということになります。
ドル円の場合のみ、ドルストレートと言います。
あまり耳にする機会はなく、多くのニュースやブログなどではそのまま米ドル円というケースが多いです。
ただし、クロス円に関しては多くの場で使われることが多いので、覚えて頂ければと思います。
また、日本の円の通貨は安定した通貨とされており、世界的に何かあるとリスクオフの流れになり、クロス円が大きく下がる傾向があります。
リスクオン・リスクオフ
FXには、
- リスクオンの時に買われる通貨
- リスクオンの時に売られる通貨
- リスクオフの時に買われる通貨
- リスクオフの時に売られる通貨
というものがあります。
相場が動く理由
チャートは様々な要因で動きます。
相場の流れや、経済指標の発表後や世界の経済など数多くの要因が関わって相場を動かします。
そして、主に下に下がる理由や上がる理由はリスクオン・リスクオフなどにあります。
リスクを好んで取る方をリスクオン、リスクを避けるようにするのがリスクオフとなります。
指標などの結果が悪いにも関わらず、今後上がると予想して買い続けるとリスクオンの状態となりチャートが上がります。
逆に、結果が悪いので今後も下がるだろうと思い売ると、リスクオフとなりチャートが下に動きます。
もちろん指標の結果が良いから上がる。
悪いから下がるというわけではありません。
このリスクオフはNYダウなどの動きにも左右されることがあり、今後NYダウが再度大きく動けば再びリスクオンになる可能性があります。
リスクオンとは
リスクオンとは上記で述べたように、リスクを好んで取る状態のことを言います。
リスクとは相場が荒れやすい安定しない通貨をトレードすること。
発展途上国の国の通貨など、金利が高い国の通貨をトレードすることで差益を多く取ったり、スワップポイントなどの金利差で利益を得たりする言うメリットがあります。
もちろん、その場合は逆もまた然りで、相場が荒れやすいので予想と大きく反対に動くこともあります。
経済指標で悪い結果であったり世界経済が悪い方向に流れると大きく下がることがあります。
リスクオンの状態とは?
FXにおいてリスクオンの状態は、リスクのある通貨が買われている状態のことです。
イメージすると何となくわかると思いますが、主に発展途上国の通貨と言うのが主に該当することが多いです。
発展途上なのでまだまだ経済状態が不安定なことが多く、そのため通貨の価値も安定していないことが多いのです。
ただその分、金利は高く設定されている傾向にあるため、リスクオンの相場で買われる傾向にあるのです。
どんな時にリスクオン相場になるのか?
リスクオンの状態が強くなる時は主に、経済が世界的に安定的な状態になりつつあることです。
例えば、アメリカの雇用が安定していた、特に大きな戦争も起きずに争いも少ない状態などです。
そうすると投資家は、多少リスクがある通貨でも大丈夫だろうと思い、リスクオンの時に買われる通貨を買います。
その方が金利も高いですし、お得ですよね。
具体的には、例えばアメリカドルや日本円など低金利通貨や安全な資産とされる金は売られていき、発展途上国の通貨や株、原油などが買われていきます。
リスクオフとは
リスクオフとは上記で述べたように、リスクを避ける状態のことを言います。
リスクオフの時は相場が荒れている時などに安全な通貨や資産に流れることを言います。
リスクオンをしている時に相場が荒れ、多くの投資家が逃げる時にリスクオフの状態となります。
リスクオフの状態とは?
逆にリスクオフの時に変われる通貨は、リスクオンの逆なので何となく察しが付くと思います。
金利などはあまり高くないけど経済が比較的安定していて世界的に何かあるとこのリスクオフ通貨が買われ、危険回避のために買う投資家たちが多いのです。
例えば、経済状態の不安材料が出てきたり、アメリカなどの主要国の経済指標が予想より悪い数値が発表されたりすると、投資家たちが「ちょっと不安定になってくるかもな」という思いから、リスクが高い通貨や株、原油などを売り、安定している日本円やアメリカドル、金を買う傾向になります。
異なるポイント
基本的にリスクオンとリスクオフは真逆の関係にあるのですが、1点だけ違うポイントがあります。
リスクオフの相場はリスクオン相場に比べて速い動きで状況が変わります。
値動きがすごく早く変わっていきます…!
悪い方向に世界が行きそうだとすぐに投資家はリスクのある資産を売る。
それを世界中の投資家がするわけですから、ある意味「売りが売りを呼び」ます。
するとさらに大きく動き、投売り(Selling Climax セリングクライマックス:通称セリクラ)が起き、「損をしても、大損するのは避けよう」という動きを見せます。
リスクオンの時に売られやすく、リスクオフの時に買われやすい通貨:
- 日本円
- 米ドル
- スイスフラン
- NZドル
リスクオンの時に買われやすく、リスクオフの時に売られやすい通貨:
- 豪ドル
- 南アフリカランド
- ポンド
- ユーロ
リスクオン・リスクオフ時の相場の特徴
リスクオン時
リスクオンの相場は、リスクのある通貨が買われている状態のことを言います。
一般的にリスクのある通貨として言われているのは、
- 南アフリカランド
- トルコリラ
- ブラジルレアル
- オーストラリアドル
- ニュージーランドドル
- イギリスポンド
- カナダドル
- ユーロ
などが上げられます。
基本的に発展途上国の通貨がそれらになります。
発展途上国ということは経済状態が安定していない場合が多いです。
ただ、政策金利の面では高く設定されている傾向にあるのでリスクオンの相場で買われる傾向にあります。
もちろん政策金利が低いものもあります。
リスクオン相場が起きる理由は、世界経済が安定している時になります。
例えば基軸通貨であるアメリカの経済指標がよかった場合、経済的に不安定であった問題が解決される場合などです。
投資家たちが経済状態がこれから安定すると考えて、リスクのある資産を買うことでリスクオンとなります。
リスクオンの相場の傾向として、日本円などの政策金利の低い通貨や安全資産とされる金は売られます。
その後、資源国通貨や発展途上国の通貨、他にも株や原油などが買われる傾向にあります。
相場の特徴はリスクオン相場は小さい値動きが長く続く傾向が強くあります。
リスクオフ時
リスクオフ相場は、リスクオン相場の反対であると考えると簡単。
経済状態の不安材料があったり、アメリカの経済指標の悪化が発表されたりすると投資家達の不安感からリスクのある通貨や株などを売って、安定した通貨である日本円やアメリカドルそれに金を買う動きに出ます。
安全とされるリスクオフ通貨としては基軸通貨の、
- アメリカドル
- 日本円
- 永世中立国のスイスフラン
などがあります。
また、通貨ではないですが金も安全な資産として挙げられます。
日本円はリスクオフ通貨
のがたか
FX初心者
のがたか
FX初心者
のがたか
日本は2016年からマイナス金利政策を本格的に開始しました。
マイナス金利は、日本銀行とメガバンクとの間の金利をマイナスにするということで、
「日本銀行に預けると逆にマイナスになるから、どんどん企業や個人に貸したほうが得だよー」
ということをし、メガバンクはじめ銀行がお金をどんどん市場に流通させるよう仕向けた政策です。
何かあると円高になるその他の理由
日本円は金利も低く、経済も比較的安定していることからリスクオフ通貨となっていて、リスクオフ通貨は何かリスクなことがあると買われ、円だったら円高になる傾向が強いのですが、日本円が円高になる理由は他にもあるんです。
円キャリー取引
低金利通貨の円を借りれて、高金利の国の通貨で運用し、その運用益に加えて利ザヤを得ようとする取引を円キャリー取引と言います。
このように円の借り入れをし、外貨に換えて運用するため、円を売りますよね。そうすると、円キャリー取引が増えると円安要因になります。
しかし、海外が利下げを実施したり、リスクのあることが起き海外の投資から一旦手を引く判断をした投資家たちが多くいる場合、円で借り入れて外貨に換えて海外に投資をしているので、その外貨を円に戻してきます。
そうすると「巻き戻し」が起こり、急な円買いで円高になります。
今はリスクオン?リスクオフ?を知る方法
今がリスクオン傾向なのかリスクオフの傾向なのか?その指標として「VIX(恐怖指数)」というものがあります。
これはボラティリティ(値幅)をインデックス(指数化)しているもので(Volatility Index)、アメリカの株式市場が代表する会社500社から算出されるETFでアメリカの経済指標を表すものとして重宝されているS&P500のボラティリティ指数です。
※ボラティリティとは、価格の変動の大きさを表すことです。値動きが大きく動いているチャートはボラティリティが高いと言え、逆の場合はボラティリティが低いと言えます。
このVIXの指数が低いときはリスクオフの状態だと言えますし、逆に高いときはリスクオンの状態と言えます。
出典:https://nikkei225jp.com/data/vix.php
上にグラフが行っている時がリスクオンの状態と言うことですね。
リスクオンですと円は売られるので円高になりますし、リスクオフですと円は買われるので円安に動く傾向にありますよね!
まとめ
リスクオンリスクオフは、FXをする上で大事な知識です。
特にクロス円でトレードする方は大事です!
リスクオンリスクオフを意識して日々トレードできると良いですね。